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シニアヨガ 10年

執筆者の写真: MatsumiMatsumi

更新日:2019年9月14日

都内脳神経外科クリニック併設デイケアで7年間、伊東で6年間、シニアヨガをさせて頂くようになって10年。長いような短いような・・・


一番初め院長に「関さん、車椅子の人、試しにヨガやってみて」と脳疾患で半身麻痺の方に向きあった。そういう身体の方とヨガをするのは初めてで、知識もなく、何をすればいいのか皆目わからず・・無知な指導内容を思いだすと恥ずかしい。当時はデイケアでヨガなんて珍しかった。


その後、理学療法士の方、作業療法士の方と仕事をする中でたくさんのことを教えて頂いた。医療の側からヨガを観たとき、最低限知っていなければならない事々があり、本屋に飛び込んで「リハビリ大全」という分厚くておっきな本を買い、高齢者の身体にどんなことが必要なのか模索しはじめた。


リハビリのデイケアで通用するヨガを提供しなければならないのだから「ヨガ療法ですから」なんて言ってられないのだ。体の動く健康な人が相手ではない。加齢で弱る体に対してどんな動きがそれを防ぎ改善できるのか、麻痺や拘縮がある場合はどうしたらいいのか、どんなことに注意していなければならないのか・・・知らないことだらけだった。


本を見ただけではわからないことが多く、実際のシニアのお体に接しながら試行錯誤していった。認知症にはどうしたらいいのかなんてことも個々に症状が違うのでその都度その方に向き合いながら接していった。


クリニックでは院長の方針で日本早期認知症学会での症例発表も義務付けられ、大学も出ていなければ論文も書いたことなんかないのにやらざるを得ず。(いや~~とにかく大変だった・・)よくがんばった わたし(涙)


一番初めに書いた論文は「関さんね、論文は作文じゃないから・・・書き方学ばないと」なんて言われ・・(涙)それでも3年目にはどうにか納得のいくものが書け、先生方にも褒めて頂けたので そこで学会活動は辞めクリニックの講師も辞めた。


その大変だった時間が今とても役に立っている。


あのとき脳神経外科クリニックで医療や介護の専門家と仕事をし、慣れない論文にもチャレンジしたこと。そして木村慧心先生のもとでヨガの聖典や精神性を学んだことが土台になり

自分的にはしっかりした内容のものを提供していると思える。


運動生理学的な事と脳の事、そしてヨガの精神性だ。どんなに運動したって老いるし亡くなる。その時間が迫っている方々に何ができるのか。いつもそこを視点にしている。


認知症を発症している方は指示動作が難しく、集中力や協調性に欠ける。

そういう方に動きの指示はしない。


まるごとふんわり包んで

「そのままでいいよ だいじょうぶ できてますよ だいじょうぶ」 と

動作で伝えながら進める。 


そうするとその人はみんなと同じことができなくても不安なくその場にいられる。

できることだけやっている。それで充分・・・

(家族の事情でその場に来させられている人も多い)


シニアの方々は(自分だってもうすぐ?)

人生のしめくくり、終末期 とても大切な時期にいる


とはいえ「内省」は人により難しい。

なのでヨガの最後には必ず祈りを入れる。


「今日ここに来ることができた自分の気力と

最後までやりきった体の力をねぎらってあげましょう」


「皆様の毎日が幸せな時間でありますように~」 と 声に出して祈る。


ぽかんとしている方もいるが、どのクラスでもその言葉に深く頷く方々がいる。

そして自然に拍手がおこる(自分たちのその場に対して)


表情が暗かったり、固かった人も 大体表情が和らぎ笑顔も出る。

そのお顔を見ると ほっとして「よかった・・」とおもう。


いい仕事してるじゃん! と 自画自賛  ハハハッ(笑)



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