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  • 執筆者の写真Matsumi

からだの力・不思議9(改)「身体心理学」

更新日:2019年10月6日

心と体の一体性に注目したフロイトの弟子、ウィルヘルムライヒが編み出したバイオエナジェティクスの流れをくむバイオシンセシスのトレーニングでも心と体の不可分性を自分にも他の参加者からも多々体験することになった。


ワークの名前や主旨は忘れたが仙骨の付近に軽く触れる繊細なエネルギーワークだった。

何かの感覚が生まれてくるのだけどうまく掴めない。とても繊細なエネルギーが動き始めていた。


その微かな動きに集中していくと赤ん坊の私が父を見上げている眼差しだった。


言葉はまだない 赤ん坊の私は泣いている父を見上げて「お父さん、泣かないで 私がここにいるから。お父さん、泣かないで 私と一緒にいて  お父さんがいてくれれば大丈夫だから 泣かないで・・・」とエネルギーで語りかけている。


母が出ていってしまった後、赤ん坊の私を抱いて泣いている父を見上げている眼差しだった。


しずかにしずかに涙がたくさん流れた


父の悲しみに・・・


父への純粋な愛情でいっぱいになっている赤ん坊の私に・・・



驚いた



こんなことも体は記憶しているなんて・・・


赤ん坊の私がこんな風に父をみていたなんて 

私は知らなかった(笑)


顕在意識で認識する父との関係性とは全く違う



色々なことにとても批判的で時にキツイ言葉で相手を傷つけることをところかまわず弾丸のように繰り出す父が大嫌いだった。


自分が心や体のことを学び始めると そういう父の在り方は 悲しみや不満、憤り、困惑、罪悪感に満ちていて、心の辛さからくるものであることが 後年よくわかった。


本当はとても優しく 愛情深く 面倒見が良い父だが、その悪言で人間関係を台無しにしてしまうことも何故なのか理解できた。



こういう様々な体験は日常の意識で捉えている父や母への思いや認識を変えてくれた。


そして人に対する見方も変わっていった。




なにより今になってつくづく 良かったな…

と思えるのは癌になった父の闘病と介護を通じて父を助け看取ることができたこと


父は自己肯定ができなかった。


心のなかではいつも自分を裁いていた。

だから人にも辛くあたり、それが自分に返ってくることを理解できず さらに悲壮感に陥っていた。


わたしは死を間際に控える父の人生を心から讃え、労い、心の重荷を解いた。


父がいかに頑張りつづけてきたか

戦争や家族制度に翻弄され縛られそれでも自分にできることを努め家長の代わりとして親兄弟を面倒みてきたか…


おとうさんは本当によく頑張った

すごいよ ご苦労さまでした


その言葉に父は何度も涙を流した。

「お前しかそんなことは言ってくれない」と


母と離婚し、私を産みの母と共にいさせられなかったことも、父の心にずっと重くのしかかっていたこともよくわかった。


確執のあった 兄弟と和解し


別れた母との再会も果たし


父の心にあった清算できない思いを

できるかぎり解いた


ホスピスのベッドから弟達に電話し

何十年と抱えていた弟との和解を自ら果たすと

本当に嬉しそうだった


「おまえは本当にいい娘だ」


生まれて初めて聞いた言葉だ。


母とも再会を果たし とても満足げだった




そして とても穏やかな美しい表情で息をひきとった。




わたしが自分の心の辛さから

様々な事を学び自分を見続けることがなかったら

こんな風に父を見送ることはできなかった


20歳で家を飛び出し

自分自身を知る探求にひた走るわたしの姿は

父や親族からみたら何をしてるのかサッパリわからない ひどい親孝行娘にしか映らなかっただろう


長い時間がかかったけれど

その探究心が父の魂と真正面からむきあい

父を理解し、本質的に愛し、うけため

今生の辛さを軽くしてあげることができた。


あるスピリチュアルリーダーのチャネリングで

「貴方は父親の魂を助ける」

というのを使命の一つとして産まれましたね


と言われた。


父の死後、それはとてもよくわかる。


生きているときはわからなかった。


父の魂としての大きさを思うたびに

愛と感謝がこみあげる


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